共働き世帯の世帯主の年収が1200万円以上の場合、児童手当支給が廃止されることになりました。
ポイントは3つ
1 夫婦で1200+200はアウトだが、1000+1000は支給される
2 支給を止める代わりに、それを財源として保育所の整備等に当てるようだ
3 少子化は進行している。働きながら子育てをすることと所得は別では
1について、世帯の収入合計ではなく世帯主となると基準が不明瞭です。共稼ぎも色々なパターンがあると思われ、主に世帯主の収入に任せフルタイムではなくパートで収入を得る場合もあるでしょう。また所得に応じた累進課税制度が取られているため、高所得の場合は所得税だけではなく住民税や社会保険料も負担が増えるわけですから、すでに社会に対しての応分の貢献をしているとも考えられます。
2について、子育てに関わる予算を一方では削り、同じ子育て予算の他方に当てるのは、いささか不合理の感が否めません。確かに財政は厳しいのですが、廃止対象となる61万世帯の給付額は年に366億円。一方で政府は100兆円を超える天文学的数字の国債を発行しています。本来は省庁間の調整を行うことで解決すべきですが、コロナウィルス禍でやり易いところを狙われたと考えられます。
3について、少子化は、2003年に制定された「少子化社会対策基本法」にも述べられているように、国民生活に深刻かつ多大な影響をもたらします。基本法の重点課題は「子育て支援の充実」「若年での結婚・出産の実現」「男女の働き方改革」等であり、こう記さなければならないほど我が国の出生率は毎年低下しています。もしこのまま何も対策を施さない場合、2100年には日本の人口は現在の半分の6,000万人となってしまうと言われています。国挙げて少子化に取り組まなければならない状態ならば、単に収入の多寡で峻別されるべきではないでしょう。
先進諸国において少子化は避けられません。そこで各国は対策を講じます。OECDの子育て対策は平均してGDP比2.6%。それに対して日本は0.8%。あまりにも少なすぎます。これこそが将来への投資であるにもかかわらず、一言発すると様々な方面から批判を受け易いテーマなのだからでしょうか、政府の本気度が見られません。最近の話題でハンガリーの子育て策が度々登場します。ハンガリーの少子化予算は、なんとGDP比5%弱。出産し子育ての過程で「日本では考えられないような様々な支援がなされる」という内容です。「やり過ぎ」との声もありますが、このような徹底した少子化対策こそが未来の日本の存続につなげるものだと信じ、私はこの課題に取り組んでいきたいと思います。
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